歩くのが苦手な患者さんや、デイサービスの利用者さん、すぐ体を痛めてしまう人を観察していると、共通することがある。
身体の硬さと、硬いがゆえに痛くなるような危ない姿勢や行動をとっていたりするのだ。
私は 患者さんの身動きの様子を見て 怪しい患者さんに 寝起きの仕方を確認させてもらう。
普段 姿勢や柔軟性にについて少しでも意識が向いている人は、ちょっとやり方を教えるとすんなり理解してくれるのですが、体が硬く痛めるクセのある方は、ほぼ上手に起き上がれない。深呼吸と同じで、当たり前にしているはずの事は 正しくやろうとすると難しいのだ。
何かの教材でも見たのですが、ほとんどの人が 筋力で寝返りや起き上がりをしていると思い込んでいるのだけれど、本当に必要なのは柔軟性なのです。
デイサービスに来ているような高齢者のほとんどは、ベッドに手すりをつけており いつもそれを頼りに一生懸命起き上がろうとするのだけど、引き上げる筋力もないので 力んで体を支えている時間が長引き、腰や肩を痛めてしまう。
階段などの手すりや つえや押すカートなどの場合もそうだけど、歩く筋肉も鍛えていない一般人が、同じく鍛えていない上半身の力で体を支えられるわけがないので、やはり 柔軟性と 正しい体の使い方を 動けるうちに身につけたほうがいいと思うのです!
家に動物がいる方は観察してみてください。動物の体は柔らかく、いつ敵が現れてもすぐ立ち上がれます。殆どの人間は 危険に晒されていないので 瞬時に起き上がれない。慌てて起きて体を痛める人もいるでしょう。
いつも危険な環境にいる動物は 「へそ天」では寝ないし、足は体の近くに置いている。
人間は ずっと丸まって寝るわけにはいかないけど、起き上がる時に体を丸めてから起きれば、力はいらないし安全です。伸びきったまま体を起こそうとすると、プルプルしている間に無駄な力を使って体を痛めてしまう。
すでに体を痛めて ベッドの手すりやつえ、カートなどに頼っている人は、相当な努力が必要です。
だから!今、若い人にこそ、たかが寝返り、たかが起き上がりを甘く見ず、体の柔軟性を使って動くことを覚えてほしいのです。
寝ている間、無意識に寝返りが打てている人はさほど問題は無いかも知れません。
もし 寝ている間 微動だにしない人は、朝目覚めると腰が痛い なんて場合もあるでしょう。動かな過ぎて圧迫され続け痛みが出るのです。仰向けで身動きしない人で無呼吸症候群なら更に悪いですよね。寝汗がすごい人はちょっと気にしてみてください。
うつ伏せや横向きで微動だにしない人は、体の歪みが酷くなりそうです。痛い人の寝姿は、かなりくねくね曲がっています…
重心のクセとか 利き足とかがあるのは当たり前として、起きて意識がある時間は、いつでも美しい姿勢を意識して欲しいと、心から願います。
今日のまとめ;寝返りや起き上がりは柔軟性を使って小さくなってから。力はいらないのだ。
歪みで体が痛くならないように 普段から美しい姿勢を意識。姿勢を正すのも筋トレだ。
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